ゼロ秒勉強術 ― 最短で受かる! 世界一シンプルな試験合格法

ゼロ秒勉強術

「試験勉強」というと、睡眠時間を削って頑張るとか、問題を前にうんうん唸って考えるといったイメージが浮かびませんか?

本書はそんな「頑張り」に頼りがちな試験勉強に、「速さ」「スピード」という観点を持ち込み、徹底的にムダを省き、圧倒的な効率化をもたらす勉強法を解説しています。

そのキーワードはタイトルにもある「ゼロ秒」

もちろん、勉強時間が「ゼロ秒」になるというような魔法の勉強法ではありません。

逆に、コツコツセコく、ムダをなくす工夫を積み上げていく泥臭い勉強法です。それは、コツコツ改善を積み重ね、世界に通用するまでに至ったトヨタ方式にも通じるものです。

その柱は以下の4つの「ゼロ秒」です。

1:ゼロ秒解答:すぐに解答できる・思い出せる状態を目指す
2:ゼロ秒読解:「わかろうとしない」「ウッと詰まったら飛ばし」止まらないで読む
3:ゼロ秒試験:「思い出す」ですぐに試験して常に現状を明確にする
4:ゼロ秒勉強:敷居・ハードルを下げて「いつでもどこでも」すぐに勉強する

試験勉強を「学校の勉強」の延長ではなく、「仕事」の延長としてとらえた、今までにない勉強本です。

この「ゼロ秒勉強術」を実践することで、目指す試験に最短で合格する道が開けるのはもちろんのこと、あなたの仕事力もアップさせ、あなたの成長を加速させます。

本書を活用して、あなたの勉強、仕事、そして人生の「生産性」を向上してください!

Amazonで購入する

著者: 宇都出雅巳
出版社: 大和書房
発売日: 2017/1/22

目次

序章 「飛ばし読み」こそが速く深い記憶・理解を可能にする

– 試験勉強で飛ばし読みしていいの?
– 「ストック」の違いが理解が妨げる
– 思考と論理は別ものである
– 脳が「わかった!」となるプロセス
– なぜ、飛ばし読みしたほうが理解できるのか
– 文章は「1本の線」だが、脳内は「網の目」
– 接続詞が文章を立体的にする
– 「本」は理解のためのインターフェース
– 「3つの違い」を意識すれば必然的に飛ばし読みになる
– いざ、「ゼロ秒」の世界へ! 「精読幻想」から目覚めよう

第1章 ゼロ秒解答 すぐに解ける・思い出せる状態を目指す

– じつは目標が曖昧なまま試験勉強していた?
– 「読めた」「解けた」だけでは合格できない
– 試験では「速さ」が問われている
– 「ゼロ秒解答」=すぐに解ける、わかる、思い出せる
– 目標が明確になれば、勉強は勝手に進む
– 「ゼロ秒解答」を目指すには過去問が必須
– 知識の「ドーナツ化」に要注意
– 入門書などのテキストは不要
– 過去問は解かない、考えない、読むだけ!
– 記述式や論述式試験では過去問+テキスト

第2章 ゼロ秒読解(理論編)「わかろうとしない」――止まらないで読む

– 「ゼロ秒読解」とは止まらないで読むこと
– 「考えている」ようで休んでいませんか?
– 未知の外国語の本を辞書や解説書なしで読めるか
– 文章の部分にとらわれると全体が見えなくなる
– じつは「何がわからないか」がわかっていない?
– 最初は「森を見て木を見ず」くらいでちょうどいい
– 記憶や理解に必要なワーキングメモリ
– 「わかろう」と頑張ることでメモリが消費される
– ワーキングメモリをフル活用する「ゼロ秒読解」
– わからないところは読み飛ばしてメモリを稼ぐ
– 何回も「ゼロ秒読解」を繰り返してわかっていく
– 「繰り返すこと」が脳の学習原理
– スラスラ読めたからといって「わかった」とは限らない
– 「ゼロ秒読解」妨げるブレーキとは?
– 「いますぐわかりたい」欲求の上手な捨て方

第3章 ゼロ秒読解(実践編) 「ウッときたら飛ばす」――止まらないで読む

– 過去問は解かないで読む
– なぜ「年度別」より「項目別」過去問がいいのか
– 「裏表タイプ」より「見開きタイプ」を買おう
– 「ゼロ秒読解」を促進する4つのステップ・ポイント
– ステップ1 目次で全体像をつかむ
– ステップ2 タイトル・見出しだけ先に読む
– 止まりそうになったら目次と繰り返し
– ステップ3 「わかるところ」「読む気がするところ」を読む
– 読み飛ばすポイントは「ウッ」ときたとき
– 新しい専門用語は「ウッ」となりやすい
– ステップ4 内容が読めなくても構造だけでも読む
– 書き込みは「次に読みやすいように」
– 絶対に構造を読み解こうと頑張らない
– 構造を読むときは「接続詞」に注目
– ポイント1 難易度を調整して止まらない
– ポイント2 時間を区切って読みきってみる
– ポイント3 「毎日全範囲を1回転させる」が基本
– 「全範囲回転」で自分の現状を毎日テストする
– ポイント4 ジグソーパズルのように読む

第4章 ゼロ秒試験 即フィードバック・つねに現状と向き合う

– 「覚えたつもり」「わかったつもり」になっている?
– 自分の現状を瞬時に確認する「ゼロ秒試験」
– フィードバックがなければ学習は進まない
– 「ゼロ秒試験」の本質は「思い出す」だけ
– 現状と目標とのギャップが勉強意欲をかき立てる
– 私を東大合格に導いた「ゼロ秒試験」
– 勉強のスピードを加速させるペンとホチキス
– 「ゼロ秒読解」するから「ゼロ秒試験」できる
– 最初は思いだせなくても落ち込まなくていい
– 読み返すようり思い出すほうが効果は高い
– 「読む」=「見る」+「思い出す」
– 試験本番では「どれだけ思い出せるか」で決まる

第5章 ゼロ秒勉強 いつでもどこでも・いますぐ勉強する

– 「勉強する」までの時間がゼロ=即勉強!
– 勉強するまでのプロセスにムダが潜んでいる
– いまこの瞬間、何をするのかが明確になっていない
– 3つの「ゼロ秒」が「ゼロ秒勉強」を可能にする
– いつでもどこでも、いますぐ「思い出す」
– 勉強は根性ではなく仕組みで続ける
– 事前のやる気やモチベーションは必要ない
– 仕組みのポイントは「ハードルを下げること」
– 分厚い過去問やテキストはバラして薄くする
– 細く薄く小さな字よりも、太くて濃く大きな字
– 「プロッキー」がダメなら「フリクション」でもOK
– 目次だけをまとめた冊子を持ち歩く
– 目次を覚えてしまう=目次イメージ記憶法

終章 「ゼロ秒勉強術」から「ゼロ秒仕事術」へ

– 「ゼロ秒勉強術」は自分と向き合うシビアな勉強術
– 勉強ができない人は自分を知らない人
– 「PDCAサイクル」との共通点
– 「ゼロ秒読解」を習慣づければ仕事も速くなる
– 仮説思考が身について仕事効率が上がる
– 「ゼロ秒勉強術」があなたの仕事力をアップさせる

はじめに 「ゼロ秒勉強術」とは何か?

「『ゼロ秒勉強術』って何だ?」
「まさか、勉強時間がゼロ秒でも合格できる勉強法?」
「以前『ゼロ秒思考』という本があったが、その勉強版か?」

 あなたはおそらく、「ゼロ秒」という言葉に興味を持って、いまこの本を読んでいることでしょう。この『ゼロ秒勉強術』の「ゼロ秒」とは何か?じつは、本書の「ゼロ秒」には4つの意味が込められています。まず、それを簡単にご説明しましょう。

 1つ目は「ゼロ秒解答」

 試験本番までに、問題を見た瞬間に解答できる、もしくは関連する知識がすぐに思い出せる状態を目指します。つまり「えーとー、これは○○だった気がする……」というように、考えてから解答できる、思い出せるという曖昧なものではなく、即答できる状態です。

 試験範囲のすべての問題、知識において、こういう状態にすることは不可能かもしれません。ただし、基本問題、基本知識について「ゼロ秒解答」できることが合格への最低条件であり、最短距離です。

 なぜなら、これが試験合格のためにもっとも効果的で効率的な道だからです。詳しくは第1章で解説します。

 2つ目は「ゼロ秒読解」

 これは「ゼロ秒勉強術」の中核をなすものです。具体的には「問題集やテキストをどう読んでいくのか?」という読み方、勉強の仕方です。

 試験勉強において、本を読むことは欠かせませんし、勉強時間の大きな部分を占めるでしょう。ただ、この「読む」ことにはかなりムダな時間が含まれています。

 どんなムダか、おわかりでしょうか?

 それは「考える時間」と「わかろうとしている時間」です。

 「いや、それは大事で必要な時間でしょう」と思われるかもしれませんが、実際にはこれほど非効率で報われないムダな時間はありません。この考えたり、わかろうとしたりして止まっている時間を「ゼロ秒」にする読み方です。

 そんな読み方で試験に合格できるのか、疑問に思う人が多いかもしれません。詳しくは第2章および第3章で解説します。

 3つ目は「ゼロ秒試験」

 これは、試験を受けるまでの時間、自分の記憶や理解の状態をチェックするまでの時間を「ゼロ秒」にする勉強法です。

 「試験」といっても、模擬試験などのきっちりした「試験」ではありません。むしろ「確認」といったほうが近いかもしれません。気軽にできる試験を、日々の勉強の中で大量におこなうのです。これについて、詳しくは第4章で解説します。

 そして最後が「ゼロ秒勉強」

 もちろん、これは勉強時間が「ゼロ秒」ということではありません。勉強に取りかかるまでの時間を「ゼロ秒」にしていく勉強法です。

 あなたは、いますぐ勉強できますか? 勉強に取りかかれますか?

 多くの人は「勉強する時間がない」といいながら、勉強しようと思ってから実際に取りかかるまでに、かなりのムダな時間を過ごしています。

 この時間を「ゼロ秒」にすることができれば、忙しい人もかなりの勉強時間を作り出すことができるのです。詳しくは第5章で解説します。

学校教育に欠けている「スピード」を意識せよ

さて、ざっくり「ゼロ秒勉強術」について説明しましたが、いかがですか?

「ゼロ秒解答」
「ゼロ秒読解」
「ゼロ秒試験」
「ゼロ秒勉強」

 どれもこれまでの試験勉強の常識から考えると、「え?」と思うことばかりでしょう。

 しかし、それも当然です。これまでの勉強は、どうしても小学校以来の勉強法をひきずっています。学校の勉強には「ゼロ秒」といった速さ、スピードに対する意識が欠けているからです。

 「ゼロ秒勉強術」は、徹底的に速さ、スピード、時間にこだわった勉強法です。学校の勉強からみると非常識かもしれませんが、仕事の進め方、考え方から考えてもらえれば、これらがいかに効果的で効率的かがおわかりいただけるでしょう。

 もし、あなたがこの「ゼロ秒勉強術」のような仕事の進め方、考え方をしていなければ、あなたの仕事はまだまだ改善の余地があります。

 終章で解説しますが「ゼロ秒勉強術」を駆使して試験勉強をすることで、あなたの仕事の進め方、考え方も非常に効果的、効率的に変化していきます。試験勉強はもちろん仕事、さらには人生そのものが劇的に変わり始めるでしょう。

 それでは、待ち時間「ゼロ秒」で中身に入っていきましょう!

おわりに 勉強、仕事、人生の「生産性」向上へ

「仕事はともかく、勉強ぐらいゆっくりさせてほしい」

 本書を読んで、こんな感想をお持ちの方がいるかもしれません。

 たしかに、「すぐ答えられる状態を目指す」(ゼロ秒解答)、「すぐ次・解答解説を読む」(ゼロ秒読解)、「すぐ試験する」(ゼロ秒試験)、「すぐ勉強する」(ゼロ秒勉強)と、「すぐやる」勉強法ですから。「ゆっくりしたい」という気持ちはわかります。

 ただ、それだけ貴重な「時間」を使っているからこそ、「勉強」であってもシビアに考えてもらいたいと願って本書を書きました。頑張って勉強しても、報われない努力をして苦しんでいる人があまりにも多いからです。

 これまで、勉強や教育では(スポーツはさておき)、「速さ」や「スピード」というのはタブー視されてきたように思います。「生産性」なんていう言葉は論外でしょう。

 実際、勉強や教育の「成果」というのは測りにくいものです。理解や記憶がどういうものかにしても、わかっているようでわかっていないことに本書を読んで気づかれたでしょう。また、すぐ役立つかどうかでは判断できないのも、勉強や教育です。

 とはいえ、本書で明らかにしてきたように、範囲や求められるものが明確である試験勉強では、仕事と同じようにその効率を高め、生産性を向上させることは十分可能です。

 あなたが、ゼロ秒勉強術で貴重な「時間」を有効に使い、目指す試験にできるだけ「すぐ」合格して、その先の目標、本当に目指していることに「すぐ」取りかかれるようになることを願ってやみません。

 終章で書いたように、「ゼロ秒勉強術」は試験勉強だけでなく、仕事やそこでの上達・成長にもつながるものです。勉強、仕事、さらには人生の生産性向上にぜひご活用ください。

2017年 春 宇都出雅巳

コメントを残す