合格(ウカ)る技術 – 記憶スピードがどんどん速くなる 超効率的勉強法
高速大量回転法や目次イメージ記憶法、テキストまるごと記憶法などの速読法、記憶術のノウハウに加え、「いきなり過去問」「とりあえず過去問」など試験勉強におけるポイントをまとめた、試験勉強法の決定版。
なお、底辺に流れるコンセプトは「がんばらない勉強法」。がんばって試験勉強がつらくなっている人は必読です。
著者:宇都出雅巳
単行本: 192ページ
出版社: すばる舎
発売日: 2011/2/22
本書の続編として『合格(ウカ)る思考』が発売されています。こちらは「合格る技術」を実践するための考え方をまとめているほか、「合格る技術」のアップデートとして最終章で新たな技術を解説しています。
目次
第1章 誰でも今日からできる”がんばらない勉強法”
01 こんな”がんばり”していませんか?
「がんばり」その① テキスト・問題集をたくさんそろえる
「がんばり」その② 予備校の講座をたくさん受講する
「がんばり」その③ テキストを1ページ目から順番に読む
「がんばり」その④ わからないところはわかるまでやる
「がんばり」その⑤ テキスト・問題集をたくさんそろえる
「がんばり」その⑥ まとまった時間をとって机に向かう
02 もっとラクして結果が出せる!
塾・予備校に行けなかった私が東大合格
東大合格にノートはいらない?!
速読体験から生まれた訓練要らずの勉強法
ファイナンシャルプランナー試験に1ヶ月で一発合格
2ヶ月で行政書士試験の一発合格を目指す
高速大量回転法をさらにブラッシュアップ
第2章 “がんばらない”のに合格(ウカ)る理由
01 「がんばらない」ってどんなこと?
「がんばらない」と「怠ける」は違う
合格に直結する「あること」とは?
おおざっぱに「わける」
02 がんばって「勉強する」が勝手に「勉強しちゃう」に!
勉強を「自動化」する
仕掛け① – 勉強する対象を絞り込む
仕掛け② – 「アウトプット」からはじめる
仕掛け③ – 「わからない」状態を作り出す
仕掛け④ – 「いつでも、どこでもできる」
難関試験にこそ最適な勉強法
第3章「いきなり過去問」が最短ルート!
01 未知の分野なのに過去問からはじめる理由
テキストの前に過去問を手に入れよう
「合格の形」を知るには過去問が最適!
選択式試験なら過去問「だけ」でも合格できる
試験で満点をとろうとしていませんか?
難問も基本問題も配点に差はない
02 「解けない・わからない」は当たり前!
まずは眺める、読んでみる
解答・解説にアクセスしやすくする
いまわからなくても落ち込まない
03 過去問で、試験の「匂い」を覚えてしまおう
過去問を「回転」させれば、パターンが見えてくる
範囲を広げたくなる“誘惑”にかられたら
選ぶなら、どんな過去問?
過去問のタイプ別 メリットデメリット
第4章 合格(ウカ)るための過去問とのつきあい方
01 楽に勉強する「工夫」をしよう
1回分だけ切り離す
範囲は徐々に増やそう
02 「わからないところ」がわかれば大進歩!
わからないところとわかるところを「わける」
わからなくても大丈夫!
「わからないこと」を受けとめるコツ
正答率よりも正答スピード!
「視点」が大事な記述・論述式の過去問
03 効率化のキモ! 「落書き」のススメ
気になる言葉は大きく書き込む
過去問に見出しをつけてしまおう
「ノート信仰」を抜け出そう
選択肢は正しい文章に変えてしまおう
わかったところに大きくバッテン!
計算問題の過去問への取り組み方
「お勉強」ではない「勉強」・「実践」を
第5章 はじめての「テキスト」は目次だけ読む
01 最初に「目次だけ」覚えるメリット
テキスト選びの基本は?
最初から読むのはダメ
「わからない」から、まずは「なじむ」
誰でもすぐに目次が覚えられる
02 「イメージ記憶」でサクサク覚える
さあ、目次を覚えてしまおう
「バカになれ!」イメージ記憶の極意
専門用語が身近になる!
速読教室が教えてくれない速読のポイント
03 頭のなかに詰め込むだけが「記憶」ではない
目次記憶があなたに自信をつける
「教わる」立場から「教える」立場になる
頭の「外」に記憶する
04 「目次イメージ記憶法」でストレスもスランプも解消!
器を作れば知識も自然に吸収される
もう「覚える」ことがストレスにならない
第6章 “眺め読み”でテキストを1冊まるごと記憶する
01 効果的にテキストを読むコツ
テキストを読むときも基本は「眺める」
そもそも違う「教科書」と「テキスト」
02 テキストの内容を覚えやすい「読み方」
目次を活用した「立体読み」
積極的「飛ばし読み」のススメ
覚えているうちに繰り返す
テキストも『バラす』
読んだら話す・読む前に話す
「書く」より「話す」ほうが効率的かつ効果的
テキストは「何気なく」見よう
「目次」と「ページ」がテキストの骨組み
03 テキストをおおざっぱな「イメージ」でとらえる
字を読むよりも「絵」を見るように
「眺める→思い出す」のサイクルをつくる
最終的には頭の中に写し撮る
04 「脳内テキスト」を作るコツ
「止まらない」のがなにより大事
まずは「わかるところ」だけ見る
テキストを身近な「テーマパーク」にしよう
「右脳」も「左脳」も両方活かそう
第7章 最短合格のコツと試験当日にやるべきこと
01 がんばらずに倍速で合格できる勉強の「組み立て方」
必要期間の目安は通常の半分
思い立ったが吉日!
勉強のしすぎにご注意!
勉強は加速度的に進む!
右肩上がりの勉強時間を目指そう
02 試験直前1週間と本番開始までの過ごし方
直前のラストスパートで一気に差がつく
試験当日にも活きる“ユビキタス勉強法”
03 試験本番! 効率のいい合格戦略
淡々と難問をとばす本番力
「確率戦」に持ち込めば鬼に金棒
最後まで諦めない
はじめに
本書は試験に合格するための本です。合格という目標を最短で達成する技術が、この1冊にまとめてあります。
この技術を実践するためには、あなたのこれまでの勉強法を一度リセットしていただかなければなりません。われわれの中には小学校以来の「勉強」のイメージが知らず知らずのうちに埋め込まれています。当然、試験に向けても今までやってきたように「がんばって」勉強しようとします。しかし、それでは合格に結びつかないのです。
短期間で確実に試験に合格するためには、これまでの勉強よりも適した、合格に直結する勉強法があります。そして、その方法を実践するには「がんばる」よりも、むしろ「がんばらない」ことがカギとなります。これまで「がんばって」勉強してきたのに合格できない方、また、がんばらないで、短期格で確実に合格したい方はぜひお読みください。
忙しくてなかなか勉強時間が取れない方にも有用です。これまで学校などで行ってきた「勉強」とあまりにも違うので驚かれるかもしれませんが、効果をすぐに実感していただけるでしょう。
本書は4年前に出版し、5万部のベストセラーとなった拙著『速読勉強術』の内容をベースに「試験合格」に焦点を絞って、労力をかけず、誰にでもできる形に進化させたものです。『速読勉強術』では、私の20年におよぶ速読経験から生まれた「高速大量回転法」を紹介し、非常に嬉しいことに数多くの試験合格者を生み出すことができました。
本書の執筆に際して、さらに効率的な試験合格のための方法を検証、お伝えするために、行政書士試験を受験し、2ヶ月の勉強で一発合格することができました。そのなかで気づいたことも盛り込んであり、より実効性のあるものになったと自負しています。
試験を受ける理由は人によってさまざまですが、「合格を目指す」という一点は誰もが同じです。どうせなら、それを一番ラクに、素早く達成できるほうがいいでしょう。
本書が、あなたの速やかな合格への一助となれば、著者としては望外の喜びです。
宇都出雅巳
おわりに
「この勉強法は邪道ですね」
私の勉強法を知った人から言われた言葉です。これまでの「勉強」とは全く違う考え方やり方に、本書を読まれたあなたもそう思われたかもしれません。「邪道」、もしくは「オキテ破り」といった印象でしょうか。
確かにこの「合格(ウカ)る技術」は、何かの分野をきっちりと学ぶ、学問的な研究をするためには役立たないかもしれません。あくまで試験という「ゲーム」を短期間で効率的にクリアしていくための技術です。
しかし、試験勉強をいくらまじめに、キッチリやったとしても、それは、あくまで試験の、いわば机上の勉強です。そこで実務に本当に役立つ勉強や、学問的に新たな発見につながるような勉強は望めません。
「実務にも役立つように」「最先端の研究もカバーしよう」なんて思いながら、試験勉強をしても、結局は二兎を追うことになって、試験に合格できなかったり、合格まで長い年月が必要になったりします。
あなたの本当の勉強は、試験合格後にはじまります。
大学入試であれば大学に入った後に、あなたがやりたい分野の勉強を好きなだけ行えばいいのです。資格試験であれば、資格を取得して実務に携わる中で、テキストには書かれていないことも含めて勉強していかなければなりません。
それこそが、本当の勉強であり、それは合格後もずっと続いていくのです。
試験合格は、試験に臨むあなたの当面も目標であることは間違いありませんが、最終目標ではないはずです。その資格を取って、その学校に入って、その先に目指すものがあるでしょう。ひとつの通過点にすぎない試験に時間をかけすぎて、勉強自体に疲れてしまったら元も子もありません。
まずは本書「合格(ウカ)る技術」を使って、試験にはさっさと、ラクに合格し、1日も早くあなたの本当の目標に向かって、勉強をはじめてください。勉強法としては「邪道」である「合格(ウカ)る技術」も、試験合格法としては直球ど真ん中の「王道」です。当面の目標である試験合格に向かって、寄り道せずに真っ直ぐに突き進みましょう。
あなたの合格を心よりお祈りしています。
宇都出雅巳