【日刊メルマガより】「やる気」と「心理的安全性」
私は月曜から金曜まで毎日、メールマガジンを配信しています。(土曜日は月から金のまとめ、日曜日は休みです)。
せっかくなので、ホームページにも毎日とは言いませんが、たまにはそちらを転載するのもいいのではないかと思い、先ほど配信したメルマガをこちらに投稿してみました。お読みください!
おはようございます。
あなたの学習回路を起動・加速させる 学習コンサルタントの宇都出です。
今日は東京や埼玉では雪が降るとか……。
もう今シーズンは要らないだろうと思っていた、コートの裏地を昨晩つけて備えています。
寒暖の差が激しい今、体調を崩さないよう、お気をつけください。
そして…ウクライナの現在を伝えるニュースでは、黒焦げになった集合住宅の映像が流れ、自分が住んでいる団地と重なって見えます。あそこに住んでいた人々も私と同じように、日々変わらぬ平穏な日常があったかと思うと、こうして攻撃されることを心配することなく、いられることの「当たり前」のありがたさを思います。
今日も良き1日をお過ごしください。
では、今日の言葉です。
- 「やる気」と「心理的安全性」
昨日、コーチングの先輩と対話し、昨今、企業でも注目されている「幸せ」「ウェルビーイング」「エンゲージメント」、そして「心理的安全性」の話になりました。
私がエグゼクティブ・コーチングでかかわってきた会社でも、社員のエンゲージメント向上が目的の一つでした。
ただ、この「幸せ」「ウェルビーイング」「エンゲージメント」「心理的安全性」、どれをとっても、何か一方的に与えられる「モノ」ではなく、また、それ自体を当事者本人が「高めるぞ!」いくらがんばったところで高まる」わけではありません。
「幸せ」度を上げようと上司、経営陣ががんばって部下、社員の「幸せ」度が上がるとは限らない。
部下や社員にしても、自分の「幸せ」度を上げるぞ!と思って、上げられるものではありません。
何かの結果として「上がる」ものですし、上司と部下、経営陣と社員の関わりなど、双方向のやり取り、影響のし合い、動きの中で「上がる(下がる)」ものです。
「ウェルビーイング」といっても「エンゲージメント」といってもそうですよね。
このメルマガで取り上げてきた「心理的安全性」にしても、それ自体に注目して上げようとしても、空回りしてしまったり、「心理的安全性」を感じようと思って、感じられるものでもありません。
以前取り上げた「中動態」でいうと、
→ 「する」「させる」の世界から抜け出そう!―「中動態」から「理解」「記憶」を考える
能動態・受動態の話ではなく、「中動態」の話。
する・させるの話ではなく「起こる」の話なんですよね。
そんな話をしていたら、私がよく試験勉強の指導で言う、「やる気」の話になりました。
『なるほど!合格勉強術』など、私の本ではよく書いている話ですが、勉強と「やる気」のあるなしを結びつけないことが、試験勉強では大事になります。
つまり、「やる気があるから、勉強する」「やる気がないから勉強しない」といった言葉を使わないということです。
こんなふうに結びつけてしまうと、「やる気」のあるなしで勉強が左右されてしまうからです。
それよりも、「やる気」があろうとなかろうと勉強する。あれこれハードルを下げる工夫をして、とにかくやる、やり始める。実は「やる気」も実際に「やる」中で生まれてくるので。
これって、「幸せ」にしても「心理的安全性」にしても同じだなあと思いました。
「心理的安全性」と何か「意見を言う」ことを結び付けてしまわないということです。
「心理的安全性が高いから、意見が言える」「心理的安全性が低いから、意見が言えない」という話になると、「心理的安全性」の高低によって、「意見を言う」ことが左右されてしまいます。
それより、「心理的安全性」が高かろうが低かろうが、必要ならば「意見を言う」こと。
とにかくハードルを下げてでも、少しでも「意見を言う」こと。
そうやって「意見を言う」中で「心理的安全性」が高まるのではないか。
「やる気」にしても「心理的安全性」にしても、便利な言葉ではありますが、そこに囚われると、逆に必要な行動を阻害し、「やる気」「心理的安全性」から遠ざかってしまうワナにはまるなあと思いました。
とにかく、自分を責めず、上司やメンバー、チーム、組織を責めず、ハードルを下げて、ほんの少しでも必要な行動を自ら取ること。それを「リーダーシップ」と言ってもいいかもしれません。
そこから、結果的に「やる気」、「心理的安全性」は高まってきます。
今日はあなたも、何か必要な行動をほんの少しでもやることから始めてみましょう。
それは、ちょっとした笑顔、挨拶からかもしれません。
今日はこのへんで。また明日!
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