武器になる読書術 – 「脳」と「本」の持つ可能性を最大化する
本書は2017年4月に出版した『集中読書術』を改題して出版したものです。
「読書を途中でやめて、積ん読になってしまう」
「ゆっくり丁寧に読んでいるのに内容が思い出せない」
このような読書をしている人は、脳の力をうまく使った読み方ができていません。
本書で紹介する「武器になる読書術」は「スマホを見るように本を読む」読書術です。気楽にあなたが読みたいところを読みたいように読んでいくのです。これなら、楽に集中して読めそうな気がしてきませんか?
「ワーキングメモリ(作業記憶)」や「ウィルパワー(意志力)」といった、最新の認知科学の研究結果から考えると、「スマホを見るように本を読む」読書術は、実は脳のしくみから考えると効果的なのです。
何よりも必要なのは、あなたがこれまでの本の読み方を手放すこと。というのも、「武器になる読書術」はこれまでの本の読み方とは真逆、非常識ともいえる読み方だからです。
なかには「本をこんなにしてしまっていいの?」「こんな読書って許される?」と最初は驚かれる人もいるでしょう。しかし、実践してみると、これがいかに楽で効果的かをすぐに実感されるはずです。
さて、心の準備はいいでしょうか?あなたの脳、そして本の持つ可能性を最大限に引き出す「武器になる読書術」の世界に入っていきましょう!
著者: 宇都出雅巳
出版社: 総合法令出版
発売日: 2021/9/13
目次
まえがき
リニューアル化に寄せて
本書の構成
序章 スマホ時代に「本」を読むべき理由と読み方
・なぜ今、本を読むべきなのか?
・ 本の可能性を最大限に引き出す「武器になる読書術」
・ 集中には「短い集中」と「長い集中」がある
・ 学校で”洗脳”された読み方から卒業しよう
・ ゆっくり&じっくり読みが読書の質を下げるワケ
・ 「飛ばし&くり返し読み」こそが本当の精読だ!
・ 読書はダウンロードではなくコラボレーション
・ 小説とビジネス書では構造・読み方が違う
第1章 ウィルパワーとワーキングメモリを使いこなす「武器になる読書術」
・本をサクッと読むためには「がんばらない」こと
・ ウィルパワー(意志力)をムダ遣いしない読み方
・ ウィルパワーを鍛えるための3つのポイント
・ 脳のメモ帳「ワーキングメモリ」の読書における活用法
第2章 いつでもどこでも読み始められる読書のコツ
・本に集中できない人が持っている思い込みとは?
・ まだ、カバーをつけて読んでいるのですか?
・ 読書は「時間があるときにするもの」ではない
・ 「飛ばし&くり返し読み」で読書のハードルを下げる
第3章 止まらずに読み終える人の本との向き合い方
・「理解しなきゃ!」が読書ブレーキを生む
・ 「わからないこと」にぶつかったらどうするか?
ポイント1 今すぐわかろうとせず読み進める
ポイント2 「わからない」をエネルギーに変える
ポイント3 「わからない」を好奇心に変える
ポイント4 「わかった!」を積極的に集める
第4章 「潜在記憶」と「本の難易度」を操り、集中をキープする
・「質問」があなたの意識をコントロールする
・ 「努力すればわかるようになる」と思えるか?
・ 「問い」を持つには「潜在記憶」の反応に巻き込まれないこと
・ 「意識の矢印」を本に向け続けるコツ
・ 自分で本の難易度を変えれば「フロー」状態は保てる
・ 読書における難易度の調整方法とは?
・ 範囲・分野を絞って読み始めよう
第5章 実践!集中読書術 6つのステップと5つのコツ
・「守・破・離」の「守」としてのステップ
ステップ1 すぐページをめくれる状態を作る
ステップ2 つまずきそうになったら「目次」に戻る
ステップ3 まえがき・あとがきをざっくり読む
ステップ4 本文の見出しだけを見ていく
ステップ5 本文のわからないところを飛ばして読む
本に書き込む「追加編集」で読みやすさが段違いに!
読みやすくするコツ1 くり返し出てくる言葉を丸で囲む
読みやすくするコツ2 頻出キーワードの「定義」に線を引く
読みやすくするコツ3 意味が変わり目で「区切り線」を引く
読みやすくするコツ4 内容を箇条書きや図解にする
読みやすくするコツ5 まとめの言葉を探して丸で囲む
ステップ6 止まらずに読み続ける
第6章 頭の回転を速め、アウトプット力を高めるために
・「武器になる読書術」で鍛えられる3つの「頭の回転の速さ」
・「全体」と「部分」の行き来を速めて本の内容を要約する力をつけよう
・全体と部分の往復で「抽象化力」を身につける
・ 「思い出す」スピードを速めて知識・情報を使いこなそう
・ 記憶の「つながり」をバラしてアプトプット力を高めよう
・ 「武器になる読書術」がアウトプット力を飛躍的に高める
参考文献
あとがき
まえがき
「本を買ってもなかなか読み始められずに、積ん読が増えていく」
「読み始めても途中で投げ出して、また積ん読が増えていく」
「読み終わったものの、肝心の内容はほとんど思い出せない」
「読んだ内容を忘れているので、仕事に活かせている感じがしない」
本書を手に取られたあなたは、こんな悩みをお持ちかもしれません。
でも、もうご安心ください。本書で紹介する「武器になる読書術」を活用することで、あなたは……
・買った本をすぐに集中して読み始められる
・集中が途切れることなくどんどん読み進められる
ようになり、サクッと読み切れるようになります。
▼ だれにでも読書をするための素質が備わっている!
なお、「読書術」といっても、がんばって読書に集中しようとか、難しい読書テクニックなどは一切不要です。なぜなら、だれにでも読書をするだけの集中力があり、素質があるからです。「がんばって」集中しようだとか高度なテクニックを身につけようだとかい
うのは、むしろ逆効果な場合もあるのです。
たとえば「読書をする集中力がない」と言うあなた。そう言いながら、満員電車であったとしても狭いスペースを見つけ、ひじを折りたたみ、スマホに釘づけではないですか? ゲームをやっている人もいるでしょうし、SNSのコメントを読んだり、自分のコメントを書き込んだりしている人もいるでしょう。なかには、ニュース記事を読んでいる人、さらには電子書籍を読んでいる人もいるかもしれません。
ただ、何よりも必要なのは、あなたがこれまでの本の読み方を手放すこと。
というのも、「武器になる読書術」はこれまでの本の読み方とは真逆、非常識ともいえる読み方だからです。
なかには「本をこんなにしてしまっていいの?」「こんな読書って許される?」と驚かれる人もいるでしょう。しかし実践してみると、いかに楽で効果的かをすぐに実感されるはずです。
さて、心の準備はいいでしょうか?
あなたの脳、そして本の持つ可能性を最大限に引き出す「武器になる読書術」の世界に入っていきましょう!
2021年6月宇都出雅巳
リニューアル化に寄せて
本書は4年前、2017年秋に出版された『集中読書術』のリニューアル版です。タイトル以外、内容はほぼそのままで変わっていません。
ではなぜ4年前の本をもう一度出版するのか、と思われるかもしれません。それは今、「読書」、とりわけ「紙の本」の「読書」が、インターネット、スマートフォンの波にのまれ、その価値を発揮し続けられるかどうかの瀬戸際にいるためです。
昔は、「読書」といえば最初から順番にじっくり読んでいくものでした。しかし今、ネットの文章をスマホで読むことに慣れたわれわれは、そんな読み方ができなくなりつつあります。それに呼応して「飛ばし読み」を勧める読書術も増えてきました。本書も「ワーキングメモリ」など脳を活用する読み方として、「飛ばし読み」を積極的に勧めています。
ただ、「飛ばし読み」には弊害があります。自分に都合のいい情報だけを読み、都合の悪い情報を避けてしまうという弊害です。これでは新たな世界を切り開く「読書」の価値が失われてしまいます。
今こそ「速く」「楽に」そして「深く」読む、本書が伝える読書術が必要なのです。
あとがき
私たちがまだ幼く、物心のつかないうちから始まった「本」との付き合い。
「本」とどう付き合うのか? どう読んでいくのか?
それは学校をはじめさまざまな場で、それぞれ一人ひとりがなんとなく身につけてきたものでしょう。きちんと教えられないまま、そして、自分のやり方が効果的なのか効率的なのかも、きっちりと検証しないまま来ている人が大半だと思います。
私は大学時代に「速読」と出会い、それが本当に使えるのかを試験勉強で実践検証するなかで、従来の読み方、本との付き合い方の非効率なところにいくつも気づき、独自のやり方を模索し、確立していきました。
本書で紹介・解説した読書術は、私が「速読」を約20年にわたって実践研究するなかで、2002年に生まれた「KTK(高速大量回転)法」がベースになっています。
KTK法の誕生以来15年にわたり、『速読勉強術』や『どんな本でも大量に読める「速読」の本』など10冊を超える本やメールマガジン、ブログ、さらには講座・研修を通して、のべ数十万人の方にお伝えしてきました。
その結果、数多くの難関試験合格者や、月に何十冊、さらには百冊を超える本を読む人を生みだしてきました。
本書でお伝えした「武器になる読書術」は、「速読」や「試験勉強」の枠にとらわれることなく、より多くの人に日々の読書で気軽に活用してもらえるようにしたものです。
なお、この方法は、ビジネス書や新書、専門書など、情報や知識を体系的にまとめた本で効果を発揮する読み方であり、小説や物語などストーリーを楽しむための本には向きません。その点は改めてお伝えしておきます。
また、「本」ほど使い手が自由に使えるメディアはありません。ですから、あなたが本書の「武器になる読書術」に縛られることは私の本意ではありません。読書を苦手にしている人や本嫌いの人に、本と気楽に自由に出会い、付き合ってほしいと願っています。
本書をきっかけに、あなたが従来の読み方の枠や思い込みをぶち壊し、自分自身の読み方の選択肢を広げて、あなたならではの読み方を生み出していくことを願っています。
素敵な本との出会いを! そして本との豊かなお付き合いを!