□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
      
   「コーチングの本質・あなたは考えてはいけません!」(読者数 3156人)
       
  第93号:「考えない」で「ただ質問する」(5):質問は相手の中にある

                     発行:あなたのコーチ・マサ

    □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

  私のコーチ仲間であり、リアリティセラピーを紹介してくれた先輩でも
  ある杉山栄作さんが、本を出版されました。杉山さんはソニー生命のライ
  フプランナーであり、プロコーチでもあります。

  顧客満足を徹底的に追求する独自のスタイルで、保険営業に大きなインパ
  クトを与えています。

  本書では、コーチングやリアリティセラピーについても触れられています。
  セールスに携わられている方はぜひ、お読みください!

  『保険営業は顧客満足だけを考える―あの人をお客さまにしたい!』
   http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827201579/

    □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

  1ヶ月半ぶりの配信となりました。

  何のご連絡もせずに、長期間の休刊となり、失礼しました。

  AllAbout のコーチング・マネジメントへの投稿や、出版企画で忙しかった
  こともあるんですが、いろいろとコーチングについて考えることが多くて
  なかなか発信できませんでした。

 (AllAbout のコーチングマネジメントに、記事を10日に1本程度、メルマ
   ガを1ヶ月に2本程度、執筆しています。こちらも読んでください!
   → http://allabout.co.jp/career/management/

  人には「考えるな」と言いながら、私本人は本当に考えることが大好きな
  ので、はまるとなかなか出てこれないんです。


  それでは今号の内容です。 

 
  1)「考えない」で「ただ質問する」(5):質問は相手の中にある

  2)今週のワークショップ:アーサー・ハルのドラムサークル

  3)インプロコーチング研究会報告:コーアクティブコーチングとインプロ


    ■□「考えない」で「ただ質問する」(5):質問は相手の中にある■□

 
    「質問は相手の中にある」


   「答えは相手の中にある」はコーチングで必ず言われることですが、
   「質問は相手の中にある」は聞いたことがないと思います。
 
    でもそうなんです。

   われながら、これに気づいたときは、「これぞコーチングの本質だ!」
   と感動して、メルマガにもうれしくて書いたのですが、あまり反響は
   ありませんでした。
   → http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_074.htm

   とはいえ、自分としては今も大事なポイントですし、聴くことや好奇心
   の大事さを思い出させてくれるので、よく人に伝えています。

   今回も、「ただ質問する」シリーズにはぜひ入れたいと思って、
   繰り返しになりますが、書くことにしました。

   ちなみに、AllAboutから配信をしているメルマガは月2回刊ですが、
   ここに掲載する記事は、次号でそこのコラム用に書いたものです。
   復習になると思うので、ぜひご購読ください。↓
   http://allabout.co.jp/career/management/nlbn/NL000511/bnbody_1.htm

   それではどうぞ!
  
            ●●●「答えは相手の中にある」●●●

   これはコーチングの本ならどこでも紹介されているコーチングの前提とな
   っている考え方ですよね。

   でも相手の中にあるのは「答え」だけではありません。コーチが行う「質
   問も相手の中にある」んです。

   管理職研修やセールス研修でお会いする人に、コーチングの話をすると、
   「なかなか質問が出てこなくて、難しいです。もっと質問を勉強しなくては
    ……」と言われる人がたくさんいます。

   確かにいろいろな質問を学んでいくことは大事です。しかし、それは諸刃の
   剣でもあるんです。「次はどんな質問をしようかなあ」と「自分の中にある
   質問」を探り始めた時点で、相手の話をちゃんと聴けていません。

   相手の話が聴けていない状態では、相手の状態にあった質問を投げかけるこ
   とはできません。たとえできたとしても、微妙にタイミングがズレてしまい
   ます。

   コーチングにおいて何をおいても大事なのは、相手の話をよく聴くことです。
   相手の言葉、その言葉の奥にあるもの、相手から出てきている雰囲気などを
   感じ、相手に関心を持ち、好奇心を向けていけば質問は自然と出てきます。

   「○○ってどういうこと?」
   「もし△△ができたらどうです?」
   「□□を思い切り感じたらどうでしょう?」

   まさしく“今”、相手が話している言葉、見ている情景、味わっている感じ、
   発している雰囲気から、質問は出てきます。

   「自分の中にある質問」を探すのではなく、「質問は相手の中にある」と信
   じて、相手やあなたと相手が作っている場に意識を向けてみてください。

   そして、そこからフッと湧いてきた質問を相手に投げかけていきましょう。
   シンプルな質問でOKです。そしてシンプルな質問ほど、相手の中に深く入る
   パワフルな質問になります。
   

           ●●●「答えも質問も相手の中にある」●●●


   こう思えば、コーチングもスッと楽になりませんか? コーチングはとても
   楽しいものです。肩の力を抜いて、気楽にやってみてください。

   以上です。
   ご感想、ご意見、ご質問などは、masa@utsude.com までお寄せください。

   All About コーチング・マネジメントのメルマガバックナンバー・購読登録
   はこちら→ http://allabout.co.jp/career/management/nlbn/NL000511/bnbody_1.htm

   ■□■□今週のワークショップ:アーサー・ハルのドラムサークル■□■□

   ドラムサークルって知っていますか?

   名前のとおり、ドラムを持った人たちが円いサークルになって座り・立ち、
   ドラムを演奏するものです。ただし、ドラムに限らず、いろいろな楽器や
   叩けるものが使われます。

   リズムサークルとも呼ばれるようです。

   詳しくはこちらのサイトの説明をごらんください。
   → http://www2.gol.com/users/teranga/dc.html

   このドラムサークルのワークショップに今週月曜日、初めて参加してきまし
   た。2時間ほどのワークショップで、とてもシンプルな内容でしたが、とて
   もいろいろな気づきがありました。

   誤解を恐れずに、どんなことがあったか書いてみますね。ただし、かなり
   省略するので、ご容赦を。

   1)参加者に、簡単な打楽器が渡されます。ただし、それには色や形の違うもの
     が5種類ほどあります。

   2)ファシリテーター(アーサーハル)から、それぞれの楽器ごとに叩く
     シンプルなリズムが教えられます。

   3)それぞれの楽器が、それぞれに教えられたシンプルなリズムどおりに
     叩きます。

     ここで大事なのは、自分の叩くことに埋没するのではなく、周りのリズム
     に意識を向けること。

   4)ファシリテーターの合図があり、各自が自由に思い思いに叩きます。

   最初のプロセスの流れを、自分が体験したままに、簡単に書いてみました。
   想像がつきますか?

   「これがどうした?」と思われた方も多いでしょう。

   確かにとてもシンプルなんですが、シンプルなだけに、とても気づかされる
   んです。何に気づかされるかというと、先ほども取り上げたような


           ●●「質問は相手の中にある」●●


   まあ、これはちょっと強引かもしれませんが、自分だけの世界に浸るのでは
   なく、周りに意識を向けることで、自然とリズムが調和し、全体としても
   素晴らしい、リズム、音楽を奏でることができるのを実感できたのです。

   言うまでもなく、コーチが自分が次にどういう質問を投げるか考えるのでは
   なく、クライアントに意識を向けていくことが大事ですよね。

   そのことを身をもって体験させてくれるのです。

   コーチングでテクニックに走り勝ちな人、自分の思う方向にクライアントを
   誘導しがちな人にはお勧めのワークショップです。

   ドラムサークルについては、こちらのサイトをご参照ください。
   → http://www2.gol.com/users/teranga/index.html

   なお、ファシリテーターだったアーサー・ハルという人は、この分野の第一
   人者だそうです。なかなか面白い本も出されていて、日本語で翻訳もされて
   います。『ドラムサークル・スピリット』(ATN)はお勧めです。
   → http://www.atn-inc.jp/3572.htm

   インプロと同じように、コーチングに大事なことを学ばせてくれます。
   まずはやってみてください。

   アーサー・ハルはまだ連休終わりごろまでは、日本でいろいろと活動する
   ようなので、下記のページをごらんいただいて、近くの方は参加されたら
   どうでしょう? 今日(30日)は愛媛の松山、5月2日は千葉の船橋、7日は
   北海道の札幌であるようです。→ http://www.atn-inc.jp/mt1.htm

   
   ■インプロコーチング研究会報告:コーアクティブコーチングとインプロ■

   「インプロ」については、このメルマガで2年以上前からご紹介してきまし
   た。(最初はこれ→ http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_016.htm

   昨年7月と11月にはコーチ向けに、インプロの日本における第一人者である
   絹川友梨さんのインプロワークショップを開いたり、昨年9月から今年3月に
   かけて毎月インプロコーチング研究会を開催してきました。
   (絹川友梨さんのインプロワークスはこちら→ http://www.impro-works.com/

   そのなかで、改めてコーチング、とりわけコーアクティブ・コーチングに
   おけるインプロの重要性を感じました。
   (コーアクティブ・コーチングとは、コーチ養成機関のひとつであるCTIが提供
    するコーチング。詳しくは→ http://www.thecoaches.co.jp)

   コーチングを通常のコミュニケーションの延長としてとらえたり、カウンセ
   リングの変形としてとらえるよりも、インプロや演劇(さらにはドラムサー
      クル)の延長でとらえたほうが、その本質をとらえられる気がしています。

   これに関して、コーアクティブ・コーチング応用コース卒業生のメーリング
   リストに投稿したメールがあります。おそらく、このメルマガの読者の方にも
   参考になると思うので、転載します。一部、コーアクティブ・コーチング用語
   が入ってくるのはご容赦ください。
   (もしご興味ある方は、『コーチング・バイブル』をご参照ください。
    → http://allabout.co.jp/career/management/recommend/index_000101.htm

   2月に行われたインプロコーチング研究会の内容についても少し触れていますので
   参考にしてみてください。

   それではご紹介します。

   ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
   
   
   ●傾聴のレベル1・2・3は俳優訓練から? (2月の研究会の内容紹介)

   前回の研究会では、ロシアの演出家で俳優訓練システムを確立したスタニスラ
   フスキーのメソードの一つが紹介されました。
  (スタニスラフスキーとは?→ http://trainer-labo.com/stanislavski.htm

   正確ではありませんが、簡単に紹介するとこんな具合です。

   俳優が演技している状況は、「誰に話しているか」で大きく次の3つに分けられ
   ます。

    パターン1:自分に対して話している(独白)

    パターン2:目の前の1人に対して話している

    パターン3:多数の人に対して話している(講演や学校の授業のような状況)

   これだけでは何も面白くありませんが、これにもう一つの次元を加えます。
   見かけ上誰に話しているかとは別に、意図として誰に話しているかを加えるの
   です。

   例えば、こんな場合はありますよね。

   A)独り言を言っているんだけど、近くにいるある人に聴いてもらいたくて話し
    ている。

   B)大勢に話しているんだけど、その中の1人に伝えたくて話している。

   C)目の前の人に対して話しているんだけど、自分に向いて話している。

   D)目の前の人に対して話しんているんだけど、大勢に向けて話している

   そして、それぞれのパターンを
    A=1.2 B=3.2 C=2.1 D=2.3と表現するわけです。
    (一ケタ目が見かけ上のパターン、小数点1ケタ目が実際に意図としている
     パターン)

   エクササイズとしては、「3.1で話して!」「3.2に変えて!」という具
   合にいろいろなパターンをやりながら自由自在に意識の範囲を変える訓練をし
   ます。


   これって、どこかで聞いたコンセプトと似ていると思いませんか?

   そうです。
   コーアクティブ・コーチングにおけるコーチの5つの資質の一つである
   傾聴のレベル1・2・3ですね。

   (詳しくは『コーチング・バイブル』をご参照ください。いわゆる「傾聴」(
    アクティブリスニング)という概念とは違います。傾聴のレベル1とは、
    「内的傾聴」、レベル2は「集中的傾聴」、レベル3は「全方位的傾聴」など
    といわれます)
   
   もちろん、まったく同じわけではありませんが(特にレベル3)、通じる部分は
   あります。

   クライアントの理想の状態であるレベル1は、1.1もしくは2.1と表現
   され、コーチのが避けるべきレベル1は、2.1と表現されるでしょう。

   ●「スポットライト」と傾聴のレベル1・2・3について

   上記の訓練が興味深かったので、スタニスラフスキーの訓練方法を紹介した本を
   読んだところ、より傾聴のレベル1・2・3の訓練に近い方法がありました。
   (『メソード演技』(エドワード・イースティ著 劇書房発行)
     http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/487574501X/ 

   「光の環」という訓練方法で、俳優の“集中”を鍛える方法です。

   「光の環」とは暗い舞台にスポットライトが照らし出されて作られる環のこと。

    最初、スポットライトは俳優だけを照らし出し、舞台の他の部分はまっくらに
    なります。俳優が舞台の上を動いても、スポットライトが追いかけ、照らさ
    れた部分の中だけに俳優が集中できる手助けとなります。

    光の環の外は、真っ暗で見分けがつかないので、俳優にとっては、光の環の
    中に集中しやすくなります。

    そして、光の環をだんだんと広げていきます。俳優はそれに合わせて集中の
    範囲を広げます、相手役がいれば、自分と相手役を照らし出すスポットライ
    トになり、さらに舞台全体に広がっていくというわけです。

    いかがでしょう。こんなふうにスポットライトで考えると、傾聴のレベル1
    ・2・3がわかりやすくなりませんか?

   ●コアクティブ・コーチングとインプロ・演劇について

   コーアクティブ・コーチングの創設者の1人であるヘンリー・キムジーハウス
   さんはもともと役者であったと聞いています。

   このため、コーアクティブ・コーチングにインプロをはじめとする俳優訓練
   の方法が入っていることは不思議なことではありません。

   そして、私はコーアクティブ・コーチングにこういった要素が入っているこ
   とが、コーアクティブ・コーチングが他のコーチングと違う大きな特徴であ
   り、強みだと思います。


   もちろん、コーアクティブ・コーチングをはじめ各種“コーチング”の源流
   には、インプロ・演劇以外の要素が数多くあり、取り入れられているでしょ
   う。

   ●ティモシー・ガルウェイの「インナーゲーム理論」
    http://www.humanvalue.co.jp/glossary/hvdrcon/innergame1.htm

   ●カール・ロジャースの「クライアント中心療法」
    http://homepage3.nifty.com/rines/subpage6.htm

   ●ユージン・ジェンドリンの「フォーカシング」
    http://www.focusing.org/jp/6steps_jp.html

   ●アーノルド・ミンデルの「プロセス指向心理学」
    http://www.geocities.jp/processworkwf/pop/

   ●ミルトン・エリクソンに始まる「解決志向アプローチ」
    http://www.soc.shukutoku.ac.jp/chiba/teacher/sfa.html

   ●H・グリシャンらによる「ナラティヴ・アプローチ」
    http://d.hatena.ne.jp/trouble/20050220

   ●J・グリンダー/R・バンドラーの「NLP」
    http://www.communication-labo.com/sl_nlpij/nlp/index.html

   挙げればキリがありませんね。それぞれがすばらしいものです。
   どの一つをもとにしても、“コーチングもどき”を創ることは可能です。

   ただ、インプロ・演劇の要素を取り入れているのは、アメリカはいざ知らず
   日本では、私が知る限り、コーアクティブ・コーチングぐらいだと思います。

   だからこそ、他の“コーチング”にはない、深く、ダイナミックな
   コーチングが可能になっているのだと、私は思います。

   長くなりましたが、ということで、NLPやカウンセリングもいいですが、
   コーアクティブ・コーチングの強みを出すためにも、インプロ・演劇を
   体験されることをお勧めします!


   以上です。これはあくまでも、コーアクティブ・コーチングを念頭において
   書いたものです。読者のあなたはどう思われますか?

   ご感想、ご意見などをお寄せください。
   masa@utsude.com までです。


   ■■■■■■■■■■■■■最後に■■■■■■■■■■■■■■■■

   最後まで読んでいただきありがとうございました。

   久々に書いてみると、いろいろと書きたいネタがたまっているのに
   びっくりします。

   上では紹介できませんでしたが、オートポイエーシスといったシステム
   論や、脳の話など、いろいろと本を読んでいます。

   ぼちぼち、ブログにアップしているので、読んでみてください。
   → http://utsude.jugem.cc/
      
   ご感想、ご意見もお待ちしています。masa@utsude.com まで。
   
   ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

   このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
   利用して発行しています。
   ■コーチングの本質・あなたは考えてはいけません! 第93号
   ■発行者:宇都出雅巳 masa@utsude.com
   ■解除はこちら:http://www.utsude.com/mailmag_2/mailmag_2.htm
   ■ホームページ:http://www.utsude.com