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「コーチングの本質・あなたは考えてはいけません!」(読者数 2008人)
第38号:「考えない」で「集中する」(5):インナーゲーム関連情報
発行:あなたのコーチ・Masa
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最近、メルマガを登録された方へ
バックナンバーはこちらです↓
http://www.utsude.com/mailmag_2/mailmag_2.htm
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一昨日(月曜)の夕方、アメリカから帰ってきました。コーアクティブ・
コーチングのCTIジャパン(
http://www.thecoaches.co.jp)
が行って
いるリーダーシップトレーニングの第3期に参加してきたんです。
(コーアクティブ・コーチングは、「コーチングバイブル」(東洋経済刊)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492554556/mycoach-22
を参照ください。)
このトレーニングのテーマはコーチングではなく、あくまでリーダーシップ
です。しかし、比較対照するなかで、「相手の本質を呼び覚ます」コーアク
ティブ・コーチングの真髄がはっきりと見えてきました。
このあたりは、また詳しくご紹介します。
配信が遅くなりました。
まだ時差ぼけということで、今号は短めでいきたいと思います。
1)「考えない」で「集中する」(5):インナーゲーム関連情報
2)今週の本:「コーチングの技術−上司と部下の人間学」
■■「考えない」で「集中する」(5):インナーゲーム関連情報■■
ここ1カ月以上、T.ガルウェイの「新・インナーゲーム」で展開されて
いる考えをもとに「考えないコーチング」を語っています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4817202106/mycoach-22
このインナーゲームは30年以上も前に発表された考えですが、あまり日本
では活用されてこなかったようです。インターネット検索でもあまりヒット
しません。
その中で、唯一、中身があるインナーゲーム関連の情報がこれ↓です。
http://www.humanvalue.co.jp/performance/coaching/coaching.html
「ヒューマン・バリュー」という会社のレポートで、5回にわたって詳しく
インナーゲームとそれに基づくコーチングが詳しく紹介されています。
(この「ヒューマン・バリュー」は人材教育関連ではよく知られている会社
だそうです。)
かなりの分量ですが、「インナーゲームをもっと知りたい!」という方は、
前号で紹介した「はじめのコーチング」とともに、こちらを参照してみてく
ださい。お勧めです。
「はじめのコーチング」はこちら↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797323051/mycoach-22
今回は手抜きですいません。
ご質問などは、masa@utsude.com
までお気軽にお寄せください。
■■■今週の本:「コーチングの技術−上司と部下の人間学」
(菅原裕子著 講談社現代新書)■■■
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061496565/mycoach-22
1)著者自身がガルウェイ氏のインナーゲームレッスンを体験
先日、このメルマガを読んでくれているコーチ仲間から、「最近はインナー
ゲームを取り上げて、”菅原裕子風”のコーチングに近づいていますね」
といわれました。
「インナーゲームに基づくコーチングを展開している人がいるのか!」と
さっそく本書を買って読んでみました。
著者の菅原さんはアメリカでT.ガルウェイ氏自身のトレーニングを受けて
おり、本書冒頭でもその体験が語られています。
実際にテニスをした著者はなかなかラケットにボールが当たらず、苦戦し
たそうです。そんな著者に、ガルウェイ氏は、
●●「バウンド・ヒット!」●●
といいます。
ボールが地面におちたら、「バウンド」と声に出して確認し、続いて
「ヒット」という言葉に合わせてラケットを振ることを伝えたのです。
●●「バウンド・ヒット!」●●
ただ、こうして言いながら、ボールが地面に落ちることの確認と、ラケッ
トに当たることの確認に意識を集中するなかで、だんだんと、ボールは
ラケットの中心に当たり、相手のコートに返っていったといいます。
2)少し、インナーゲーム理論の復習
これは、前号で紹介した「ボールの縫い目を見る」ことに続く、「ボール
を見る」ための方法です。「新・インナーゲーム」では189ページから
紹介されています。
前号のメルマガで解説したように、インナーゲームが目指すのは、
(前号は→ http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_038.htm)
●セルフ1を黙らせ、セルフ2を働かせる●
(セルフ1・2について36号を参照ください)
http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_036.htm
そのために、
●無我夢中の状態・集中している状態を創り出す●
一つ付け加えれば、
●対象に集中している状態を創り出す●
ことです。
テニスでいえば、ボールに集中している状態、すなわち見ている状態を
作り出していることです。
とはいえ、「ボールを見ましょう」といわれても、なかなかできないもの
です。
そこでガルウェイ氏は、微妙で見えにくいものが対象だと集中しやすいこ
とに注目して、
●ボールの縫い目を見る● という指示を与えました。
これについては、第37号で紹介したとおりです。
http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_037.htm
「ボールの縫い目を見る」はとても効果的ですが、人は一つの対象物に長
い時間集中して焦点を合わせ続けることは苦手です。
そこで、さらに集中しやすい方法として、
●●「バウンド・ヒット!」●●
と、ボールが地面に落ちる瞬間、ラケットに当たる瞬間に声を上げること
を指示したのです。
3)理解されていないインナーゲームの本質
いきなり復習と解説になりましたが、インナーゲームにおける
●●「バウンド・ヒット!」●●
の位置付けが分かっていただけましたか?
著者の菅原さんは自身の「バウンド・ヒット!」体験の紹介のあとに、
それを上司と部下のコミュニケーションに展開しています。
ただ、そこでインナーゲームが誤解されて展開されていきます。
菅原さんは「バウンド・ヒット!」体験で行われたことを次のような3つ
のプロセスで整理しています。
1・指導者が具体的で分かりやすい行動のヒントを与える
2・対象者が「できそうな気がする」と前向きになる
3・その結果、対象者が行動そのものに集中できる
一見「もっともだ」と思われるかもしれませんが、よく読むと何か違う、と
思われませんか?
確かにこの3つ自体は間違っていません。しかし、インナーゲームの本質
は、見事に外しています。
1・は行動のヒントが「具体的でわかりやすい」ことがポイントでは
ありません。対象物、すなわちボールをよく見ることにつながる行動の
ヒントであることが重要なのです。
2・も同様です。「できそうな気がする」と前向きにすることがポイント
ではありません。対象物をよく見ることにつながる行動であることが重要
なのです。
3・については、集中することは大事ですが、「行動そのもの」ではあり
ません。あくまでも「対象物」を見ることに集中することです。
もちろん、「具体的で分かりやすい」ことや、「できそうな気がする」と前
向きになることはいいことです。
でも、それだけでは、インナーゲームの本質である
●セルフ1を黙らせ、セルフ2を働かせる●
ことにはつながりません。
例えば、「ラケットを肘より上に上げて振りなさい」といった指示も、いいこ
とになります。これは上の3つのポイントを満たしていますが、プレーヤーの
セルフ2を働かせることには結びつきません。
4)理解されていないコーチングの本質
というように誤解されているので、そこから出てくるコミュニケーションへの
応用もおかしいものになっています。
著者は、「上司が部下の話を聞く」ことを例にあげ、「部下の話を聞きましょ
う」といっても、「ボールを見ましょう」と同じで、すんなりとはできない
ことをいいます。これは私も同感です。
私はそのために、「ボールの縫い目を見る」と同様に、「相手の縫い目を観る」
ことを前号で紹介しました。http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_038.htm
一方、菅原さんはこう言います。
●黙って視線を合わせ、相手の話す速度に同調して相づちを打ってください●
この指示をみなさんはどう思われますか?
「相手の視線」や「相手の話す速度」を意識することは対象に集中することで
ありOKです。
しかし、「黙って」とか、「視線を合わせ」とか、「同調して相づちを打つ」
というのは行き過ぎだと思いませんか?
テニスの例でいうと、「腕を地面と平行にして」とか、「ボールの速度に応じて
手の振る強さを変える」といった指示を出すようなものです。
上司のセルフ2を働かせようという意図があるとは思えませんし、そもそも、部
下の話を聴こうという目的があるとは思えません。
そう思っていたら、菅原さんが想定している目的が書かれていました。
それは、
●部下が聞いてもらえたと実感できること●。
上司が本当に部下の話を聴くというのはではなく、部下が聞いてもらえたと実感
できればOKだというのです。それによって、部下が本音を話してくれるという
のですが、間違っているとはいえないまでも、これではあまりにも薄っぺらでコ
ーチングの名が泣きます。
確かに視線を合わせる「アイ・コンタクト」や、同調して相づちを打つ「ペーシ
ング」は、相手に「私はあなたの話を聞いていますよ」というメッセージを伝え
る強力なスキルです。
そして、「聞いてもらえる」と相手が思えば、話しやすくなることも事実です。
上司と部下のコミュニケーションにおいて、こういったスキルを使うことは有効
ですし、使っていない人はぜひ使ってみてください。
しかし、それでは上司の聴く力は引き出せませんし、部下の話を本当に聴くこと
ができません。上司のセルフ2が働かないのです。
これでは、インナーゲームによるコーチングとは似ても似つかないものになりま
す。
5)コーチングとはこれまでの常識と違うことが理解されていない
本書では、そのほかセルフ1・セルフ2の考えも紹介されて、それがコーチングの
根底にあると説明されています。
しかし、すでに説明したようにインナーゲームがあまり理解されておらず、本書で
説明されている「コーチングの技術」も、インナーゲームに基づいたものではあり
ません。
「コーチングの技術」として、NLP(神経言語プログラミング)などでお馴染み
の
●「心を開く」ラポールの技術
●ミラーリング
●ペーシング
が紹介されているほか、
●傾聴法として
●バックトラッキング
●「Yes And」法(インプロでもおなじみ)
が紹介されています。
(ラポールをはじめとするNLPについてはこちら↓を参照ください。
http://www.utsude.com/Club2010_2002_1_25.htm)
(インプロについては、http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_016.htm
http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_033.htm )
こういった技術が有効であるのは確かなんですが、「コーチング」という新しい
コミュニケーション手法の本質ではありません。これについては、私はも最近、
ようやく分かりかけてきたばかりなので、偉そうなことはいえませんが、確かです。
(第32号を参照ください http://www.utsude.com/mailmag_2/mm_2/mm2_032.htm)
「コーチング」をどう捉えるかは各人の自由ですが、その可能性を最大限に引き出す
ためにも、従来のコミュニケーション手法とはしっかりと区別していきたいと思いま
す。
先日も、NHKのクローズアップ現代という番組でコーチングが取り上げられていま
したが、私の観点(観念)からみると、「どうだかなあ?」という説明の仕方がさ
れていました。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2003/0308-4.html#wed
解説は今や大人気の斎藤孝さん( http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/)でした
が、コーチングの捉え方の甘さを感じさせられました。言われていることはもっとも
で、相手と問題の分離など、上司と部下のコミュニケーションにはとても有効な方法
をいわれていましたが。。。。。 また機会があれば、この番組についても解説した
いと思います。
これまでのメルマガでも解説してきましたし、これからも解説していきますが、イン
ナーゲームが非常識な方法であったように、
●コーチングはこれまでの常識とは異なる非常識なものである●
ことは頭においてください。そして、とてつもない可能性を秘めたコミュニケーショ
ン手法・あり方です。
本書やNHK番組を見て、コーチングの本質を伝えていく必要性を改めて感じました。
ついつい、本の紹介から逸れてしまいました。本の紹介に戻します。
6)ここまで言ってなんですが、いい本です
インナーゲームを掲げる「コーチング」の本としては、いろいろと疑問符がつくとこ
ろが多い本ですが、「上司と部下の人間学」という副題にあるとおり、部下とのコミ
ュニケーションに悩む上司にはとても参考になると思います。
また、コーチングについても、いろいろと含蓄に富む言葉が随所に見られます。
いくつか紹介します。
●優秀なコーチとは、相手のことをよく観察することのできる人●
これはインナーゲームにも通じる重要なポイントです。菅原さんは、コーチが持つ
観念(思い込みや価値観)に注意を向け、「今、ここ」の観察、起こったままの
事実の認識を勧めています。
●どのようなときも、相手に対して新鮮な関心を持って向き合ってみてください●
これは”好奇心”であり、関心があれば相手に自然と集中ができますから、これ
また、インナーゲームにも通じる重要なポイントです。
また、145ページから147ページにかけて「直観力」について説明されており、
これはとても分かりやすく本質をついた説明だと思います。
同時にここの2ページ余りで菅原さん流の聴き方が展開されているんですが、それ
は、まさしくインナーゲームのコーチング、すなわち「考えないコーチング」にも
通じるものです。
それを簡単に紹介すると、下の6つにまとめられます。
1・どのようなときも、相手に対して新鮮な関心を持って向き合ってみる
2・自分の無意識・直観を信頼する
3・相手の話をよく聞く
4・非常にシンプルな質問をする
5・相手の話についていく
6・相手の論理を理解しながら、自分の考えは休ませておく
本屋でこの本を見かけたら、ぜひ、この145ページから147ページに
かけての「直観力」の部分だけでも、何度も繰り返し読んでみてください。
私の思い入れが強いインナーゲームについて触れていた本なだけに、長い紹介に
なってしまいました。
「コーチングの技術−上司と部下の人間学」(菅原裕子著 講談社現代新書)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061496565/mycoach-22
ご意見、ご質問、ご感想は、masa@utsude.com
までお寄せください。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
短くするつもりが、思わず本の紹介が長くなってしまいました。
コーチングが知られるようになったのはいいことですが、誤解も増えてき
ました。各人各様のコーチングがあってもいいんですが、そのとてつもな
い可能性と、そのための本質だけは見失ってほしくないというのが願いで
す。
こういう私もこのメルマガを書く過程でようやく見えてきたところです。
読者のみなさんの率直なご意見やご感想をぜひお聞かせください。
また、分かりにくいところもあると思います。ご質問もご遠慮なく。
とにかく、意見、感想、希望、批判、賞賛、罵倒、激励なんでも結構です。
masa@utsude.com まで、お気軽にメールをお寄せください。
最後の最後ですが、私が書いている別メルマガをまとめた本の宣伝です。
コーチングとは関係ありませんが、試験を控えたり、速読に興味のある方
はどうぞ。
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■コーチングの本質・あなたは考えてはいけません! 第39号
■発行者:宇都出雅巳 masa@utsude.com
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